ギターの弦はなぜ6弦なのか?
20年の講師歴の中で1度だけレッスン中にこんな質問をされたことがあります。
先生、なんでギターの弦の本数は6本なんですか?
その生徒さんはギターを始めて数ヶ月しか経っていない初心者の方でした。
キャリアが長いギターリストの方は当たり前すぎて、考えも及ばない事でしょう。
現在このコラムを読んでいるあなたも「なんでだろう?」と思ったのではないでしょうか?
実は”弦”という漢字にヒントが隠されています。
では「ギターの弦はなぜ6本なのか」を解き明かす旅にご招待しましょう!
*最初に断っておきますがこれからお話する内容は筆者個人の見解や意見、想像、”そうあって欲しいという” 希望も含まれたものとなっております。
漢字に隠された弦の謎
ギターの起源は古く、もとは ”弓” だったと伝えられています。
想像してみて下さい。弓に張った糸を指で引っ張って離すと「ベン」というサウンドが聴こえてきそうです。
ですが、楽器としてサウンドさせるには糸では適さず、適切な長さと弦の張りの強さを保つことで、様々な音階やメロディーを奏でる事ができます。
物理の基礎でもありますが
弦を、”細く、短く、張りを強く” すれば音が高くなり
逆に、”太く、長く、張りを弱く” すれば音が低くなります。
その原理に気付き、弓から現代ギターの基礎となる楽器を作り出しました。
つまりギターは ”1本の糸” から誕生したのです。
その後、幅広い音域を出すために太さの違う弦の本数を増やしていきました。
筆者の個人的な見解ですが ”弦” という漢字が ”弓” と ”糸” という2文字でできているのは、ここから来ているのではないのかと考えています。
で、ギターはなぜ6弦なの?
実はギターは4本の弦で定着した時代があります。同時期には5弦のギターもありました。
これ以上の弦の本数に耐えうるギターやペグ(糸巻き)をその時代に製作するのは困難であったからだと私は考えています。
なにより小さなギターでは太い弦を張ること自体容易ではありません。
太い弦を張るということは本体の長さや強度が必要となりますので、必然的にギターのサイズも大きくなっていきました。
時代と共にそう言った部品や技術が進化し、現在我々が手にするようなサイズ、6弦でのギターの作成が可能となったわけです。
ギターが6弦として定着したのは18世紀後半~19世紀と言われています。
6弦となった事で瞬く間にポピュラーな楽器となり、数多くの曲が書かれ演奏されました。
当時の音楽家が作曲した曲は、現代でも数多くのミュージシャンに演奏されていますので、その影響や功績は非常に大きなものと考えています。
ギターの未来は?
今日では7弦ギターを見かけることも珍しくはありません。
しかし私はエレキギターでの7弦ギターには少々違和感を感じます。
なぜなら7弦を張るには他の6弦と同じ長さのネックやボディーではサウンドの鳴りが不自然に聴こえるからです。
それはベースに細い弦を張ったとしてもギターのようなサウンドにはならず、同様に7弦ギターも太い弦を張ったり低くチューニングしたとしても、どこか人工的な味気ないサウンドとなる気がするからです。
これからさらにギターの弦の本数が増えるかどうかは予想もできません。
新しい素材が開発されることにより、弦の本数を増やす事が可能になる時代が来るかもしれません。
バイオリン、チェロ、トランペットなどの歴史を辿っても
ギターほど姿カタチを変え、進化した楽器はありません。
ジミヘンが弾く楽器もセゴビアが弾く楽器も同じ ”ギター” なんですね。
一人の生徒さんの質問から生まれたこのトピック、思ったより深い内容までいきました。
to be continued…
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